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 生き生きライフ神奈川年金相談室     [年金基礎知識]


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年金基礎知識


≪共済年金と厚生年金の相違点≫

共済年金と厚生年金は被用者年金の2本の柱ですので、基本的には両者同一の制度として設計 されています。しかし細かいところでは種々違いがあります。

共済年金のどこが厚生年金と異なっているか、その概略をまとめますと以下の通りです。
なお年金額は平成26年土価格です。
1.組合員期間
・共済年金は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、日本私立学校振興・共済事業団が 保険者となって運営されている。すなわち、共済年金の対象者は、警察職員、公立学校教職員 を含む公務員と私立学校教職員である。このうち私立学校については、共済年金ではなく厚生 年金制度に加入しているところもある。

・国家公務員共済制度と地方公務員共済制度の組合員期間は相互に通算され、前の期間は後 に取得した共済期間とみなされる。
たとえば国共済の組合員期間を有する人が、地共済の組合員になった場合国共済の組合員 期間は、地共済の組合員期間とみなされる、ということです。

・昭和61年3月以前の組合員期間の特例
共済年金の場合は、昭和61年3月以前は、「組合員の資格を取得した日の属する月から、 その資格を喪失した日の前日の属する月までの期間」を組合員期間としていた。
厚生年金の場合は、昭和61年3月以前・以降を問わず、「被保険者の資格を取得した日の属 する月から、その資格を喪失した日の属する月の前月までの期間」とされている。

(例)昭和61年2月15日に死亡した場合
                   共済年金       厚生年金
 資格喪失日          昭和61年2月16日     同左
 資格喪失日の前日       昭和61年2月15日     同左
 組合員(被保険者)期間    昭和61年2月まで    昭和61年1月まで

2.特別支給の退職共済年金の支給開始年齢
・共済年金の場合、特別支給の退職共済年金の支給開始年齢に男女の差はない。

 厚生年金の場合、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は、女性の方が男性よりも5歳分 早い。

3.退職共済年金
・職域加算額があることが厚生年金との大きな違いである。

・衛視等であった者の支給要件の短縮特例があるが本稿では詳述を割愛する。
                      (国共済法附則13条等)

その他の点では、支給体系、それぞれの支給項目の算出方法は厚生年金と同じである。

(1)特別支給の退職共済年金
 年金額=@定額部分+A報酬比例部分+B職域加算額+C加給年金額
 
(2)退職共済年金(本来支給)
年金額=A報酬比例部分+B職域加算額+C加給年金額+D経過的加算額

(参考:退職共済年金報酬比例部分:平成6年水準・従前額保障)
{平均標準報酬月額×(生年月日に応じ10/1000〜7.5/1.000)×H15.3以前の組合員期間月数
                +
平均標準報酬額×(生年月日に応じ7.692/1000〜5.769/1000)×H15.4以降の組合員期間月数}
                ×1.031×0.981

(3)職域加算額
共済年金の場合、退職共済年金、障害共済年金、遺族共済年金のいずれの場合にも「職域 加算額」が支給される。

退職共済年金の職域加算額の算出方法は次の通り。(平成6年水準・従前額保障)

{平均標準報酬月額×(組合員期間と生年月日に応じた係数A)×H15.3以前の組合員期間月数
 +平均標準報酬額×(組合員期間と生年月日に応じた係数B)×H15.4以後の組合員期間月数}
 ×1.031×0.981

           職域加算額の支給乗率(平成6年水準・従前額保障)
           (H15.3以前の期間―係数A)(H15.4以後の期間―係数B)
  ( 生年月日 )  (20年以上)(20年未満)  (20年以上)(20年未満)
    〜S2.4.1   0.50     0.25       0.385    0.192
 S2.4.2〜S3.4.1   0.58     0.26       0.446    0.223
 S3.4.2〜S4.4.1   0.66     0.33       0.508    0.254
    〜       〜      〜        〜      〜
 S19.4.2〜S20.4.1  1.44     0.72       1.108    0.554
 S20.4.2〜S21.4.1  1.46     0.74       1.131    0.569
 S21.4.2〜      1.50     0.75       1.154    0.577

厚生年金には職域加算額はない。

(4)同一制度内在職年金の支給停止
 同一制度内在職年金とは、たとえば厚生年金の在職老齢年金(老齢厚生年金を受給しながら 厚生年金の被保険者として働く場合)の取扱のことである。公務員に焼きなおして表現すれば、 国家公務員共済の退職年金を受給しながら、国家公務員として働く場合の取扱のことである。
 共済年金の場合、退職年金だけでなく障害年金も支給停止の対象となる。

 厚生年金の場合、障害厚生年金は在職による支給停止の取扱はない。

 国共済と地共済は60代の前半も後半も、また70歳代も、厚生年金の60代前半(低在老)と 同様の支給停止措置である。

 私学共済は、厚生年金と同じく60代前半は低在老、60代後半及び70歳以上は高在老である。

 厚生年金は、60代前半は低在老、60代後半及び70台は高在老である。

 これらを整理すると次のとおりである。

・被用者年金制度の同一制度内在職年金(在職による支給制限)の類型
           (65歳未満)   (65歳以上)   (70歳以上)
 国共済・地共済      A       A      A
 私学共済         A       B      B(加入員脱退)
 厚生年金         A       B      B(被保険者喪失)

・同一制度内在職年金(在職による支給制限)の内容
低在老(A)  60代前半の厚生年金及び私学共済年金受給者に適用される在職年金制度
            支給停止調整開始額    28万円
            支給停止調整変更額    46万円
            (職域加算額は全額支給停止)

高在老(B)  60代後半及び70代の厚生年金及び私学共済年金受給者に適用される在
       職年金制度
            支給停止調整額       46万円
            (職域加算額は全額支給停止)

公務員の在職年金 (厚生年金のAと内容は同じ)60代及び70代の共済年金受給者に適
          用される在職年金制度
            停止解除調整開始額    28万円
            停止解除調整変更額    46万円
            職域加算は全額支給停止

(5)他制度に移った場合の在職年金の支給停止
他制度に移った場合の在職年金の支給停止とは、具体的には次のような意味である。

国家公務員共済の退職年金受給者が国家公務員共済制度以外の制度、例えば私学共済や厚生 年金の加入員・被保険者として働く場合に、受給している共済年金はどのような支給制限を課 されるかということである。

なお、国家公務員共済組合と地方公務員共済組合は同一制度として取り扱われる。

共済年金受給者については、厚生年金の65歳以上の者に対する制限に類似した支給制限(支給 停止調整額46万円、加給年金・職域加算は全額支給)が適用される。

厚生年金受給者については支給制限はない。

制度移行類型別の在職年金制度をまとめると次のとおりである。

(受給年金制度) (加入年金制度)   (65歳未満)  (65歳〜)  (70歳〜)
国共済・地共済  厚年・私学・議員   B類似     B類似   B類似
                                 (常勤職員)

私学共済      国共済・地共済    B類似      B類似   B類似
            厚年・議員                (常勤職員)

厚生年金      国共済・地共済   全額支給   全額支給  全額支給
            私学・議員

 「B類似」の支給制限の内容
           ・60代及び70代の共済年金受給者で、他制度の組合員・
           加入員・被保険者として働く者に対する年金の支給制限
          ・支給停止調整額      46万円
          ・加給年金額及び職域加算額は全額支給

4.障害共済年金
・障害共済年金には保険料納付要件はない。

・障害共済年金にも職域加算額がある。

・1級、2級、3級の区分、1級の年金額は2級の年金額の1.25倍、支給体系、それぞれの支給項目 の算出方法等は厚生年金と同じである。

(1)年金額=報酬比例部分+職域加算額+配偶者の加給年金額
   注.障害等級1級の場合は2級の年金額の1.25倍である。
      障害等級3級の場合は配偶者の加給年金額は支給されない。

参考:障害共済年金の報酬比例部分(障害等級2級、3級. 平成6年水準・従前額保障)
(平均標準報酬月額×7.5/1000×H15.3以前の組合員期間月数
+平均標準報酬額×5.769/1000×H15.4以降の組合員期間月数}×1.031×0.981
    組合員期間が300月未満の場合は300月が保障される。

(2)職域加算額
 障害共済年金の職域加算額の算出方法は次の通り。
     (障害等級2級及び3級。平成6年水準・従前額保障)

 (平均標準報酬月額×1.5/1000×H15.3以前の組合員期間月数
+平均標準報酬額×1.154/1000×H15.4以後の組合員期間月数}×1.031×0.981

 報酬比例部分と同様、組合員期間が300月未満の場合は300月が保障される。
 障害等級1級の場合はこの1.25倍。
 組合員期間が300月未満の場合は300月が保障される。

(3)公務等による傷病が原因で障害となった場合、障害共済年金の職域加算額の特例がある。

その算出方法は次の通り。(障害等級2級及び3級) (平成6年水準・従前額保障)

[{平均標準報酬月額×A1+平均標準報酬月額×A2×300月を超える組合員期間月数}
×平成15年3月以前の組合員期間月数/全組合員期間月数+
{平均標準報酬額×B1+平均標準報酬額×B2×300月を越える組合員期間月数} ×平成15年4月以後の組合員期間月数/全組合員期間月数]×1.031×0.981・・・・(a)

A1、A2、B1、B2の数値は次の通り。

         A1     A2      B1       B2
障害等級1級  12×0.3  1.875/1000  12×0.23077  1.442/1000
障害等級2級  12×0.2  1.5/1000   12×0.15385  1.154/1000

(a)により計算した額と報酬比例部分との合計額が次に示す金額に満たない場合は、次の金額 が保障される。(国共済法82条3項)
   1級・・・4,195,300円
   2級・・・2,591,200円
   3級・・・2,344,500円

(4)障害補償年金等との調整
 公務等による傷病が原因で障害者となった障害共済年金の受給者が同一の障害で国家公務 員災害補償法や労災法による傷病補償年金等を受けられるときは、前記(a)のうち、組合員 期間300月に相当する部分が支給停止される。
  (国共済法87条の4、平成15年国共済法施工令東海政令附則6条、7条)

厚生年金の場合は、労災法の傷病補償年金等との調整は労災保険側で行われる。

(5)障害一時金(厚生年金の障害手当金に相当)
 退職後でなければ受給権は発生せず、また保険料納付要件はない。

厚生年金の障害手当金の場合は退職条件はない。

5.遺族共済年金
・遺族共済年金には保険料納付要件はない。
・遺族共済年金にも職域加算額がある。

長期要件と短期要件の区分、支給体系、それぞれの支給項目の算出方法等は厚生年金と同じ である。

1)年金額=報酬比例部分+職域加算額+中高齢妻加算(または経過的加算)

参考:遺族共済年金の報酬比例部分・職域加算額(平成6年水準・従前額保障)
(短期要件の遺族共済年金報酬比例部分)
(平均標準報酬月額×7.5/1000×H15.3以前の組合員期間月数
+平均標準報酬額×5.769/1000×H15.4以降の組合員期間月数)×3/4×1.031×0.981
組合員期間が300月未満の場合は300月が保障される。

(短期要件の遺族共済年金の職域加算額)
 (平均標準報酬月額×1.5/1000×H15.3以前の組合員期間月数+平均標準報酬額×
1.154/1000×H15.4以後の組合員期間月数)×3/4×1.031×0.981
 報酬比例部分と同様、組合員期間が300月未満の場合は300月が保障される。

(長期要件の遺族共済年金報酬比例部分)
{平均標準報酬月額×(生年月日に応じ10/1000〜7.5/1.000)×H15.3以前の組合員期間月数
+平均標準報酬額×(生年月日に応じ7.692/1000〜5.769/1000)×H15.4以降の組合員期間月数}
×3/4×1.031×0.981

(長期要件の遺族共済年金の職域加算額)
{平均標準報酬月額×(組合員期間と生年月日に応じた係数A)×H15.3以前の組合員期間月数
+平均標準報酬額×(組合員期間と生年月日に応じた係数B)×H15.4以後の組合員期間月数}
×3/4×1.031×0.981

(2)遺族の範囲
遺族共済年金を受給できる遺族は、死亡したものの配偶者、子、父母、孫、祖父母で、その 者の死亡当時そのものによって生計を維持されていた者である。
子および孫については18歳に達した日以後の最初の3月31日以前で未婚の者か、その者の 死亡の当時からひきつづき1級または2級の障害の状態にある者とされている。

父母・祖父母については、死亡時の年齢や受給開始時の年齢についての制限はない。
 また、障害の子についても年齢要件はない。

 厚生年金の場合には、配偶者のうちの夫、父母・祖父母については被保険者の死亡当時年齢 満55歳以上であることと、支給開始は60歳からという制限がある。
 また障害等級1級、2級の子については満20歳未満という制限がある。

(3)転給の制度
 配偶者及び子が失権すると、次順位の父母に受給権が移り、以後受給順位に従って、受給 者が順次移っていく。これを転給制度という。

 厚生年金にはこのような転給制度はない。先順位者が受給権を取得すると、その時点で後順 位者の受給権は消滅し、その後先順位者が失権しても後順位者に受給権が移ることはない。

(4)中高齢妻加算
 遺族共済年金の受給者が妻で、子がいない等の理由で遺族基礎年金が支給されないとき、65 歳に達するまでの間中高齢加算が支給される。ただし長期要件の場合は、組合員期間が240月 以上あることが必要である。

 遺族共済年金の場合は、遺族厚生年金のように、夫死亡時の年齢要件(40歳以上)や、 40歳到達時の条件はない。

 厚生年金の場合の中高齢加算は、次の場合で、かつ遺族基礎年金の受給権を失った ときに65歳に達するまでの間支給される。
  @遺族厚生年金の受給権を取得した当時40歳以上65歳未満であること。
  A40歳に到達した当時、死亡した夫の『18歳未満の子』と生計を同じくし、かつ65歳未満 であること。

(5)公務等による傷病が原因で死亡した場合、遺族共済年金の職域加算額の特例がある。
その算出方法は次の通り。            (平成6年水準・従前額保障)

(短期要件の場合)
(平均標準報酬月額×A1×平成15年3月以前の組合員期間月数
+平均標準報酬額×A2×平成15年4月以後の組合員期間月数)×1.031×0.981・・(e)
組合員期間が300月未満の時は300月が保障される。
(e)により計算した額と遺族共済年金の報酬比例部分の合計額が1,048,800円に満たない場合 は1,048,800円が保障される。

(長期要件の場合)
(平均標準報酬月額×B1×平成15年3月以前の組合員期間月数
+平均標準報酬額×B2×平成15年4月以後の組合員期間月数)×1.031×0.981・・(f)
(f)により計算した額と遺族共済年金の報酬比例部分の合計額が1,048,800円に満たない場合
は1,048,800円が保障される。

(5)公務等による傷病が原因で死亡した場合、遺族共済年金の職域加算額の特例がある。
その算出方法は次の通り。            (平成6年水準・従前額保障)
 (短期要件の場合)
(平均標準報酬月額×A1×平成15年3月以前の組合員期間月数
+平均標準報酬額×A2×平成15年4月以後の組合員期間月数)×1.031×0.981・・・・・(e)
組合員期間が300月未満の時は300月が保障される。
(e)により計算した額と遺族共済年金の報酬比例部分の合計額が1,048,800円に満たない場合 は1,048,800円が保障される。

(長期要件の場合)
(平均標準報酬月額×B1×平成15年3月以前の組合員期間月数
+平均標準報酬額×B2×平成15年4月以後の組合員期間月数)×1.031×0.981・・・・・(f)
(f)により計算した額と遺族共済年金の報酬比例部分の合計額が1,048,800円に満たない場合
は1,048,800円が保障される。

6.支払未済(未支給)の給付金
共済年金の受給権者が死亡し、その者が支給を受けることができた給付でその支払いを受け なかったものがあるときは、死亡した者の遺族(遺族共済年金の場合には、遺族共済年金を受 けられる他の遺族)に支給される。(国共済法45条1項)
 遺族は死亡したものと生計維持関係を有することが必要。(国共済法2条)
 該当する遺族がいないときは、死亡した者の相続人に支給される。(国共済法45条1項)

 厚生年金の場合と受給対象が若干異なる。共済年金は生計維持関係が必要であるのに対し 厚生年金は生計同一関係があればいい。
 共済年金の場合は相続人も可。
 厚生年金の場合は兄弟姉妹も可。

 厚生年金の場合、受給者の範囲は死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹で、 死亡の当時その者と生計同一の状態にあった者とされている。(厚生年金保険法37条)

7.退職一時金(脱退一時金)の返還 (昭和54年12月31日以前退職者)
 過去に退職一時金の支給を受けた人が、その後退職共済年金や障害共済年金を受けることに なったとき、又はその遺族が遺族共済年金を受けることになったとき、退職一時金の額に利子 を加えて返還する制度で、共済年金に特有の制度である。
 返還が必要な場合
 @退職一時金の一部を受けている(年金原資を残している)こと
 A組合員期間が引き続く1年以上であること
 返還時に付加される額
 支給を受けた退職一時金の額に、退職一時金を受けた月の翌月から共済年金の受給権を取得 した月までの期間について所定の利率に基づく複利計算により求めた額が付加される。
 年金原資を凍結しないで全額受給した退職一時金の基礎となった期間のうち、昭和36年 4月1日〜昭和61年3月31までの期間は合算対象期間とされる。

 厚生年金にはこのような制度はない。


平成26年4月分(平成26年6月支給分)から、年金額が0.7%引き下げられます

平成26年度の年金額(特例水準の額)は、平成24年に成立した法律に基づき、 ▲0.7%の改定になります。
 ▲0.7%の根拠は次のとおりです。
(1)特例水準の段階的解消  ▲1%
(2)本来水準の年金額の改定ルールに則った年金額の上昇率   △0.3%
(3)上記(1)と(2)を合わせて   ▲0.7%(0.99×1.003=0.993)

注.1
特例水準の年金額と本来水準の年金額との差は平成25年9月時点では2.5%ありましたが、その段階的解消の措置が講じられる ことになり、平成25年10月に特例水準の年金額が1%引き下げられました。
これに続いてこの4月分からさらに1%引き下げることになりました。
  しかしその一方で本来水準の年金額は26年4月分から、名目手取り賃金変動率0.3%分引き上げられます。 そこで特例水準の年金額の実際の引き下げ幅は△0.3%を加味して、▲0.7%となったわけです。
  この結果、特例水準の年金額と本来水準の年金額との差は0.5%となりました。
  平成27年4月分から特例水準の年金額をさらに0.5%引き下げることになっています。これによって特例水準の年金額と 本来水準の年金額の差は解消されることになっています。

注.2
 0.7%引き下げられるということの意味は、乗数が0.7%引き下げられるということです。
「特例水準の満額の老齢基礎年金額」の計算式によってこの点を説明します。

平成25年 4月分   804,200円×平成25年度の政令で定める率0.978=786,500円
平成25年10月分   804,200円×平成25年10月からの政令で定める率0.968                                =778,500円
                            (1%の引き下げ))
          0.968=0.978×0.990(平成26年度10月からの特例水準の解消
          率)
平成26年 4月分   804,200円×平成26年度の政令で定める率0.961=772,800円
                            (0.7%の引き下げ)
          0.961=0.968×0.993
          0.993=1.003(名目手取り賃金変動率)×0.990(平成26年度4
          月からの特例水準の解消率)

注.3
 厚生年金基金から年金を受けられている方の厚生年金額は、基金から支払われる年金額(代行部分)と国から支払われる 年金額の合計額となります。基金の代行部分については0.7%の引き下げが行われません。
 国から支払われる年金額から厚生年金基金代行部分についての引き下げ分も合わせて差し引かれます。

注.4
 4月分の年金額は5月分の年金額と合わせて、6月に支給されます。

注.5
 「平成26年4月分からの年金額の改定について」と題する年金額改定通知書が年金受
 給者に6月初旬までに送られます。

 詳しいことは
厚生労働省のニュースリリース、年金額の改定の仕組み をご覧ください。



よくある誤解あれこれ

  公的年金についてよくある誤解のいろいろを整理してみました。

よくある誤解その1.   60歳からもらえる年金はもらう時期を遅くすると額が増える?

【正しい理解】
  年金は本来は65歳から支給されるのですが、過渡期の取り扱いとして、生まれた年代に応じて 60歳前半に受給出来ることもあります。60歳代前半に受給できる年金を「特別支給の老齢厚生年金」といいますが、 この年金は、受給する時期を繰り下げることによって年金額を増やすという取扱いはありません。
  65歳からの本来の年金は、受給開始時期を最大60歳まで繰り上げることができます。また最大70歳まで、 受給開始時期を繰り下げえることができます。繰り上げれば年金額は減少し、繰り下げれば年金額は増加します。


よくある誤解その2.   国民年金保険料の納付開始時期は?
年金手帳では「昭和35年10月1日加入」となっているのに、日本年金機構の年金記録では「昭和36年4月1日加入」とある。 間違いではないか・・・・・


【正しい理解】
  国民年金保険料の納付が始まったのは「昭和36年4月」からです。昭和35年10月から昭和36年3月までは国民年金法の 準備期間で、実際に保険料の納付を受け付けるようになったのは昭和36年4月からです。


よくある誤解その3.   第3号被保険者制度が始まったのはいつ?
昭和55年に結婚して、サラリーマンの夫の被扶養者になった。昭和61年3月までの国民年金第3号被保険者の記録が 漏れている・・・・・


【正しい理解】
  国民年金第3号被保険者制度が始まったのは「昭和61年4月」からです。それまでは厚生年金保険等の被用者年金制度 (民間企業や官公庁に雇用されている人が加入する年金制度のことで、具体的には厚生年金保険、 船員保険、共済組合等です)加入者の配偶者の方には、国民年金への強制的な加入義務はなく、申出により加入できる 「任意加入」となっていました。
  この期間は、任意加入をしなかった場合には、「カラ期間(合算対象期間)」となり、年金額には反映されませんが、 受給資格期間の計算には反映されます。


よくある誤解その4.   国民年金第3号被保険者の保険料は夫の給料から天引きされている?

【正しい理解】
  国民年金第3号被保険者である妻の保険料は、夫(配偶者)の加入する被用者年金制度が拠出金として負担しています。 ご主人が夫婦2人分の保険料を納めているわけではありません。なお、国民年金第3号被保険者の期間は、国民年金の 「保険料納付済期間」となります。


よくある誤解その5.   厚生年金に加入している夫に扶養されている妻も、厚生年金に加入している?

【正しい理解】
  厚生年金保険の加入者は、働いているご本人だけです。
  厚生年金保険加入者の被扶養配偶者は、昭和61年3月までは国民年金への加入は任意でした。 任意加入の手続きをしない場合にはその期間は「カラ期間(合算対象期間)』になります。
  昭和61年4月以降は、国民年金第3号被保険者として加入していただくことにいなりました。夫婦の一方(妻又は夫)が 第3号被保険者に該当した場合には、配偶者の勤務する会社の事業主経由で年金事務所に届け出ることが必要です。


よくある誤解その6.   大学生であった平成2年8月に20歳になったが、国民年金の加入は平成3年4月からとなっている

【正しい理解】
  国民年金は20歳から加入が義務づけられています。しかし、大学等の学生については平成3年3月までは20歳以上 であっても国民年金は任意加入でした。平成3年4月1日からは学生であっても20歳以上は国民年金の加入が 義務付けられました。
  学生時代に任意加入をしていたかどうかをもう一度確認をして、もし任意加入していたのであればその旨を年金事務所に 申し出て、加入記録を訂正してもらうことが必要です。


よくある誤解その7.   国民年金第3号被保険者になれるのは女性だけである
会社を退職してから再就職するまでの期間は国民年金未加入となっている。この期間は妻が会社勤めをして、 私は家事をしていた。私の国民年金は未加入のままで仕方がないのか。・・・・・


【正しい理解】
  昭和61年4月1日に、国民年金第3号被保険者制度が発足しました。これにより、配偶者が厚生年金等被用者年金制度に加入 していて、本人がその被扶養配偶者である期間もしくは本人の収入が一定未満(130万円。障害者は180万円)の額である期間は 国民年金第3号被保険者になります。
  第3号被保険者は男性でも女性でもなれます。ただし、「国民年金第3号被保険者該当届」を配偶者の勤務先経由年金事務所 へ提出することが必要です。2年以上過去の期間の場合は「国民年金第3号被保険者の特例届」を提出することが必要です。
  国民年金第3号被保険者期間は保険料納付済期間となります。


よくある誤解その8.   年金定期便の記録に平成15年3月以前の賞与の記録がない?

【正しい理解】
  平成15年3月以前の賞与は年金額計算に含まれません。平成15年4月以降は賞与も『標準賞与額』として記録され、 年金額計算にも反映されることになりました。
  この結果、老齢厚生年金の年金額の計算方法は、平成15年3月までの期間分と、平成15年4月以降の期間分とは 異なることになりました。実際の算出にあたっては、平成15年3月までの期間分と、平成15年4月以降の期間分とを それぞれ計算して、両者を合算して算出いたします。
  算式は次の通りです。(物価スライド特例水準の年金額の算式。平成24年度)

{〔平均標準報酬月額×生年月日に応じた乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数〕
                   +
  〔平均標準報酬額(注1)×生年月日に応じた乗率(注2)×平成15年4月以降の被保険者期間の月数]}
 ×  1.031×0.978

よくある誤解その9.   夫は7つ年上のサラリーマンで、私は今まで3号被保険者だったが 58歳の時に突然国民年金の1号被保険者としての保険料納付書が届いた。

【正しい理解】
  奥さんが58歳でご主人は65歳です。厚生年金保険の被保険者であるご主人は同時に国民年金の第2号被保険者でありました。 そして第2号被保険者の被扶養配偶者である奥様は、いままで国民年金の第3号被保険者であったわけです。 しかし、ご主人は65歳になりますと厚生年金保険の被保険者であっても国民年金の第2号被保険者ではなくなります。 奥様も第3号被保険者ではなくなり、第1号被保険者になります。ご主人は引き続き厚生年金保険の保険料を給与天引きで支払い、 奥様は国民年金第1号被保険者としての保険料を支払うことが必要です。サラリマンが国民年金の第2号被保険者でいられるのは 65歳になるまで、というのが正しい理解です


平成23年度厚生年金保険・国民年金事業概況

  去る12月17日、厚生労働省は「平成23年度厚生年金保険・国民年金事業概況」を発表しました。
  主な内容は次の通りです。

<公的年金制度>
加入者数(平成23年度末。以下同じ)
   6775万人  対前年度  51万人(0.7%)の減少

延べ受給者数
   6384万人  対前年度 196万人(3.2%)の増加

重複のない実受給者数(福祉年金受給権者を含む)
    3867万人  対前年度  71万人(1.9%)の増加

<厚生年金保険>
被保険者数
   3451万人  対前年度  10万人(0.3%)の増加

受給者数
   3048万人  対前年度 105万人(3.6%)の増加

受給者数の内訳
   老齢年金    1383万人
   通算老齢年金 1134万人
   障害年金      38万人
   遺族年金     492万人
     合計     3048万人

受給者平均年金月額(基礎年金を含む)
   老齢年金    15万2396円
   通算老齢年金  5万5784円
   障害年金    10万5277円
   遺族年金     8万7967円

<国民年金>
第1号被保険者(任意加入被保険者33万人を含む)
   1904万人  対前年度  34万人(1.7%)の減少

第3号被保険者
    978万人  対前年度  27万人(2.7%)の減少

保険料免除被保険者数
   全額免除者数     568万人
               (第1号被保険者に対する割合 30.4%)
      内法定免除    131万人
      申請免除     230万人
      学生納付特例  169万人
      若年者納付猶予  39万人

   申請一部免除者     46万人

受給権者数(被用者年金の受給権者を含む)
   2912万人  対前年度  78万人(2.7%)の増加

老齢年金平均受給月額(基礎年金・国民年金の受給額のみ)
   5万4682円


4月1日生まれの人の国民年金加入資格

何月でもそうですがとにかく1日生まれの人の加入資格はなかなか理解の難しいものです。
次の通り整理して考えましょう。
               
(国民年金法の規定)
被保険者資格(第7条)    日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者
資格取得の時期(第8条)    20歳に達したとき
資格喪失の時期(第9条)    60歳に達したとき
被保険者期間の計算(第11条) 被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、
               被保険者の資格を取得した日の属する月からその資格を
               喪失した日の属する月 の前月までをこれに算入する。
保険料(87条)        保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月につき、
               徴収するものとする。

昭和27年4月1日生まれの方を例にとりましょう。
資格取得の時期(20歳に達したとき)      昭和47年3月31日
                       (誕生日の前の日に年齢が変わる)
資格喪失の時期(60歳に達したとき)      平成24年3月31日
                       (誕生日の前の日に年齢が変わる)
被保険者の資格を取得した日の属する月     昭和47年3月
被保険者資格を喪失した日の属する月の前月   平成24年2月
国民年金被保険者期間             昭和47年3月〜平成24年2月


≪満額の老齢基礎年金を得るために何カ月の任意加入月数が必要か≫


例題
国民年金保険料納付月数      450月
平成21年3月以前の半額免除月数  30月

上記の場合において、満額の老齢基礎年金を受け取るためには、
60歳以降何カ月任意加入すればいいか。必要な月数を求めよ。

解答

月数の分解

@450月  すでに納付した月数

AX月   今後納付する月数
B半額免除月数30月のうち3分の1の政府補助が得られるので年金額計算上 「3分の2」月となる月数
算式は {480−(450+X)}月
        C半額免除月数30月のうち480月を上回る月数。政府補助は得られないため 年金額計算上3分の1」月となる。
      算式は30―{480―(450+X)}月
      解答式       (450月+X月)+{480月―(450月+X月)}×2/3+[30―{480―(450+X)}]×1/3=480
      X=15   正解は15月




相次ぐ年金改革―その1.物価スライド特例水準の解消

 民主党政権によって、『社会保障と税の一体改革』が推進されつつあります。その概要については政府発行のパンフレット 『明日の安心―社会保障と税の一体改革を考える』をご覧ください。

 この改革の一環として、公的年金についても相次いで改革が予定されています。

 もっとも間近なところでは、物価スライド特例水準2.5%が今年の10月を手始めに、25年度、26年度の3年度にわたって解消することを内容とする 法律(国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案)が、現国会(第180回国会)に上程されています。

 この法案によれば、現在実際に支給されている年金が、本来の年金に比し、2.5%高くなっている(特例水準)ので、この2.5%を、 24年10月を皮切りとして、25年度、26年度の3年間で解消しようというものです。具体的には、本年10月に0.9%減額し、 さらに25年度、26年度において0.8%ずつ、計2.5%を引き下げようとするものです。

 現在の法律で定められた本来水準の年金は、物価や賃金が上がればそれにスライドして引き上げられるのに対し、現在私たちが受給している 特例水準の年金は、物価や賃金が上がっても引き上げられません。ですから物価や賃金が上がれば、本来水準の年金額の方が特例水準の年金額を 上回るのですが、残念ながら、デフレ経済が続き、物価や賃金はなかなか上がらず、2.5%の解消も早急には見込めないのが実情です。

 このような経済事情にかんがみ、本来水準の年金額の実現を経済変動にゆだねるのではなく、法律の力によって、 特例水準の年金額を強制的に引き下げることによって、本来水準の年金額を早急に実現しよう、とするものです。



平成24年4月分(平成24年6月支給分)から、年金額が0.3%下がります

 1月27日に総務省が発表した「平成23年平均の全国消費者物価指数(生鮮食品を含む総合指数)」は対前年度比 マイナス0.3%となりました。
 これに伴い、年金額は物価変動に応じて改定される仕組みになっているため平成24年度の年金額は23年度に比し 0.3%引き下げられます。具体的には、6月に支給される4月分の年金から適用されます。

 平成23年度の物価スライド特例水準の年金額の計算方法は
こちらのとおりですが、平成23年度のスライド率は0.981でした。平成24年度のスライド率は0.978となります。  『年金額の改定の仕組み』についてはこちらをご覧ください。

 『年金額の改定の仕組み』でもわかるように、平成12年、13年、14年の3年間で計1.7%物価がマイナス変動して おりますが、『物価スライド特例措置』により、年金額は平成11年度水準のまま据え置かれました。 これを主因として、現在では本来の水準より2.5%高い水準の年金額(特例水準)が支払われています。
 最近ではこの2.5%が、問題視され、「過剰給付」とまで言われるようになっています。
 政府としては本年度から、3年かけてこの2.5%を解消する方向で検討しており、具体的には本年10月分 (12月支給分)から、更に0.9%年金額を引き下げる意向です。もしこれが実現しますと、 本年度の年金引き下げ幅は合わせて1.2%となります。



≪平成23年度の年金額は、昨年度に比べ0.4%減額されます≫

  4月分、5月分の年金額は6月15日に銀行口座に振り込まれます。 平成23年4月分からの年金額は物価スライドにより昨年の額に比べ0.4%減額されます。 物価スライドによる減額は平成18年以来5年ぶりのことです。

  平成22年の年平均物価指数(平成17年=100)は、前年から0.7下がり99.6となりました。 年金額の改定の基準である平成17年度の指数を0.4下回りましたので、平成23年度の年金額は、 平成22年度の年金額を0.4%引き下げる改定が行われました。

  したがって6月早々から受給者のもとに「年金額改定通知書東劇 (年金振込通知書とセット)」 が送られてきます。

  改定後の年金額は、単純に平成22年度の年金額に0.996(▲0.4%)を乗じた額と完全に 一致するものではありません。法律で定める端数処理の関係や、付加年金には物価スライドが 適用されない等の事情があるからです。

  厚生年金基金から年金を受けておられる方はさらに注意が必要です。 厚生年金基金から年金を受けておられる方の年金額は国(年金機構)から支払われる年金額と 厚生年金基金から支払われる代行部分の年金額との合計額になります。 この合計額から0.4%引き下げられるわけですが、厚生年金基金の代行部分は 物価スライドによる改定が行われず、その引き下げられる部分は国(年金機構)から 支払われる年金額からさらに差し引かれます。


≪公的年金、頼りになるのはここ!≫

  厚生年金・国民年金・共済年金等公的年金の強み・メリットは どんなところにあるのでしょうか。
私的年金(個人年金・企業年金等)と対比しながら考えてみます。


公的年金の強み

     1、 生きている限り支給されます―終身年金

     2、 障害になった時手厚い給付が得られます―障害年金

1.生きている限り支給されます―終身年金
年金の額は、保険料納付月数とか、保険料算定の基礎となる収入によって決ま りますが、いつまで支給されるのか(支 給期間)については、保険料納付月数とか、納付した保険料の額等には関係なく 受給権者が生きている限り、終身に わたって支給されます。(障害年金の場合は障害状態に該当することが必要。)

2. 障害になった時手厚い給付が得られます―障害年金
・所定の障害の状態になりますと障害年金が支給されます。厚生年金の場合、1 級から3級まで、国民年金の場合は1級から2級までがあります。 障害の状態にある限り終身にわたって支給されます。

・2級以上の障害に該当する場合は保険料払い込みは法定免除されます。

・20歳前の、国民年金の被保険者になる前に障害状態になった場合、 20歳になった時点から国民年金の障害基礎年 金が支給されます。


≪保険料が払えないときは必ず全額免除の手続きを!≫


  国民年金には保険料の免除制度があります。免除される保険料の割合は、全額、4分の3、半額、4分の1の4段階にわ かれています。
  保険料を払い込むのが困難な時には、この免除制度を活用することが賢明です。
  保険料免除制度が認められると、年金受給資格期間、年金額の算出、追納等に関しては次のような取り扱いになり ます。

  全額免除を例にとって考えましょう。


保険料の全額免除を認められた期間は――
 国民年金の年金受給資格期間(25年)の判定にあたっては、保険料納付済期間と同様に取り扱われる
 年金額の算定に当たっては、政府補助分に相当する3分の1または2分の1の月数が保険料納付済期間とし て計上される。
 収入が向上した際、過去10年間の分の免除された保険料について追納できる。


これに対し、全額免除の手続きを怠ったり、 免除申請が認められなくて保険料を未納のままにしておいた期間は――

 国民年金の年金受給資格期間(25年)の判定にあたっては、全く算入されない。
 年金額の算定に当たっても全く算入されない(政府補助分相当分も算入されない)。
 収入が向上した際、過去2年間の分の免除された保険料について追納できる

  国民年金の保険料を払わないという点では同じであっても、手続きをして「全額免除」が認められた月と、単純な 「未納」月とでは大変な違いがあることがおわかりでしょう。



≪国民年金の保険料免除にはいろいろな種類がある≫


  国民年金の保険料免除制度は大きく分けて法定免除と申請免除の2種類があります。

法定免除

法定免除の対象者は
     @障害年金1級または2級の受給者
     A生活保護法の生活扶助を受けている人
です。
いずれも届け出れば保険料の全額が免除されます。 
申請免除
申請免除は所得が少ないなど、保険料を納めることが経済的に困難な方が対象です。
具体的には、本人、世帯主、配偶者の前年所得が一定額以下の場合が対象になります。
申請免除の種類と前年所得の「めやす」
申請免除には次の4種があります。全額免除を除く3種を「一部免除」(「一部納付」)ということがあります。
所得条件については、本人、世帯主、配偶者のいずれもが、下記の所得の範囲内である ことが必要です。
  @全額免除------(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円(この範囲内であること)
  A4分の3免除----78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等(同上)
  B半額免除------118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等(同上)
  C4分の1免除----158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等(同上)
申請の窓口
申請の窓口は住民票のある市区町村の国民年金担当部署です。
免除期間の年金への反映
免除期間は、年金受給資格期間に判定にあたっては、保険料払込済期間として扱われます。
また年金額の計算の対象にもなります。
ただし年金額計算に当たっては免除期間の月数は、 下表のように計算した月数となります。
              (平成21年3月以前の期間)  (平成21年4月以降の期間)
 全額免除の期間      免除月数×1/3       免除月数×1/2
 4分の3免除の期間    免除月数×1/2       免除月数×5/8
 半額免除の期間      免除月数×2/3       免除月数×3/4
 4分の1免除の期間    免除月数×5/6       免除月数×7/8

免除保険料の追納
免除期間は年金額の計算にも反映されますが、年金額は少なくなります。
そこで免除された保険料は、10年以内であればあとから保険料を納めること(追納)ができます。
追納する場合、保険料免除の承認を受けた期間の翌年度から起算して 3年度目以降に追納するときは、当時の保険料額に「経過期間に応じた加算額」を 上乗せして納めることが必要です。 
(要注意)一部免除(一部納付)の保険料を納付しなかった場合
一部免除の承認を得た場合に、その納付すべき一部の保険料を納付しなかった場合には、 その期間の一部免除が無効となり、「未納」として取り扱われます。
したがってその期間は受給資格期間判定の対象にならず、年金額の計算の対象月にもなりません。
また障害や死亡といった不測の事態が生じた場合に年金を受け取ることが できなくなる場合がありますので注意しなければなりません。


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