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 生き生きライフ神奈川年金相談室     [遺族年金]


 社会保険労務士石川勝己事務所


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遺族年金

遺族年金Q&A

【T.遺族基礎年金】

Q1. 第3号被保険者が死亡した場合、遺族基礎年金は支給されますか?
主人が先日亡くなりました。私は今年38歳で中学生の子供がいます。主人は失業中で、 私(厚生年金に加入中で 年収は約250万円)の扶養家族として第3号被保険者になっていました。わたしは遺族基礎年金を 受けることができるでしょうか。


A1.奥様は「子のある妻」ですから、ご主人が第3号被保険者となっている間の死亡であっても 遺族基礎年金が支給されます。




Q2. 私が再婚したとき、私と、私の子の遺族基礎年金はどうなりますか?
私は夫の死亡による遺族基礎年金を受けていますが、間もなく再婚する予定です。再婚によって受給中の 遺族基礎年金はもらえなくなると聞いています。再婚したら8歳の子供を再婚相手の養子にするつもりです。 子供は遺族基礎年金をもらえるでしょうか。


A2.あなたの場合は、再婚すると遺族基礎年金の受給権は失権します。他方、子の受給権は、あなたが 遺族基礎年金を受給していた間は支給停止されていましたが、あなたの受給権が失権した場合は、 その子の停止は解除されて、お子様が失権事由に該当しない限り、遺族基礎年金は支給されます。
次に、お子様はあなたの再婚相手と養子縁組されるとのことですが、この場合、お子様から見ると、 あなたの再婚相手は法律上の関係は直系姻族となります。したがって、失権の事由には該当しないため、 お子様は遺族基礎年金を受給できます。ただし、子が受ける遺族基礎年金は、父または母と生計を同じく する間は支給停止されます。

〈ワンポイント〉 子が再婚した妻の夫の養子になったとしても、子は直系姻族の養子になったわけですから失権しません (国民年金法第40条の1)。
ただし、子に支給される遺族基礎年金は、生計を同じくするその子の父または母が いる場合は支給停止されます(国年法第41条の2)。





Q3.夫の子と同居しているが養子縁組していない。夫が死亡したときに遺族基礎年金を受給できますか?
子(9歳)のいる夫と再婚しました。わたしには子がいません。夫の子と私とは同居していますが、 いまだに養子縁組をしていません。このままで夫が亡くなった時、私は遺族基礎年金を受給できるのでしょうか。


A3.遺族基礎年金を受けることができる遺族は、夫の死亡当時の妻であり、また夫の子です。夫の子と養子縁組して いなくても、夫の子と生計を同じくしていれば、あなたは「子のある妻」となりますから、遺族基礎年金は支給されます。

〈ワンポイント〉
夫の子と生計を同一にしていないときは、妻は遺族基礎年金の受給権を取得できません。この場合は、子にのみ 遺族基礎年金が支給されるので遺族厚生年金も子に支給されます。つまり、妻に対する遺族厚生年金は 支給停止されます(厚年法第66条の2)。





Q4. 障害基礎年金を受け始めると、遺族基礎年金はどうなりますか?
私は夫の死亡による遺族基礎年金を受けていますが、障害者となって障害基礎年金1級が受けられるようになりました。 そこで、私が障害基礎年金を受けることとすると、遺族基礎年金は子が受けられますか。

A4. あなたは遺族基礎年金と障害基礎年金との2つの基礎年金の受給権を持っていることになります。 この場合にはいずれか一つを選択して受給することになります。あなたが障害基礎年金を選択した場合、 あなたの遺族基礎年金は支給停止されます。そしてお子様に対する遺族基礎年金については、あなたの遺族基礎年金が 支給停止されても、あなたに受給権があるため、引き続き支給停止されます。

(ワンポイント)
妻に対する遺族基礎年金は、他の年金を選択したときは支給停止されます(国民年金法第20条の1)。
また子に対する遺族基礎年金は、妻が遺族基礎年金の受給権者である間(妻の所在が1年以上不明の場合に、 受給権を有する子の申請があった場合を除く)支給停止されます。 (国民年金法第41条の2)





【U.寡婦年金】

Q5. 内縁関係でも寡婦年金は支給されますか?
私の夫は、国民年金保険料を37年間支払ってきましたが、先般63歳で亡くなりました。わたしと夫とは8年間 内縁関係でしたが、寡婦年金は支給されますか。


A5.寡婦年金は、国民年金の第1号被保険者としての、保険料納付済期間と免除期間とを合わせて25年以上ある 夫が死亡した場合、婚姻関係(内縁関係を含む)10年以上の妻に支給されることになっています。 死亡者についての「25年以上」の要件は満たしていますが、婚姻期間(内縁関係を含む)が8年間ですので 婚姻継続期間(10年以上)に該当しません。残念ですが寡婦年金は支給されません。

(ワンポイント)
 寡婦年金の受給要件
(1)第1号被保険者としての保険料納付海期間または保険料免除期間が25年以上ある夫が死亡した場合に
(2)10年以上婚姻期間(内縁関係を含む)があった妻に
(3)60歳から65歳に達するまでの期間支給される
(4)年金額  死亡日の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間について老齢基礎年金の計算方法により計算し た額の4分の3。
(5)死亡した夫が障害基礎年金の受給権者であったり、老齢基礎年金の支給を受けていた時は対象外。
                          (国民年金法第49条但し書き)
(6)夫の死亡当時に妻が繰上げによる老齢基礎年金を受給しているとき、または寡婦年金受給中に繰上げによる老齢基礎
   年金を請求しその受給権が発生した時は対象外。
                          (国民年金法附則第9条2の5)

                           




Q6.自営業の夫がなくなりました。わたしはどのような年金が受給できるのでしょうか?
夫と私は、夫の親の家業を継いで自営業をやっていましたが、先月夫が病気で亡くなりました。夫は、 20歳から国民年金に加入して約27年になります。保険料は毎月きちんと払ってきました。 現在17歳になる高校生の子供がいますが、私はどのような遺族年金が受給できるのでしょうか。


A6.あなたには高校生のお子さんがいますので、お子さんが高校を卒業するまでの間、遺族基礎年金が受給できます。 また60歳から65歳までの5年間、寡婦年金が受給できまようになりますので、両方の手続をしてください。

(ワンポイント)
(1)「遺族基礎年金と寡婦年金」の2つの年金が受けられるときは、子が18歳年度末を迎えるまでの間は 遺族基礎年金が支給され、その後妻が60歳になった時から65歳になるまでの間、寡婦年金が支給されます。
(2)「寡婦年金の支給は60歳に達した月の翌月から始まるが、寡婦年金の受給権は、夫が死亡した際、妻が60歳未満で ある場合でもすみやかに寡婦年金の裁定請求を行うように指導すること」という内容の通達(昭和46年4月30日 庁保険発第8号)が出されています。





【V.死亡一時金】
Q7. 夫が61歳で死亡しましたが、どのような年金が受けられますか?
私の夫は20歳から57歳まで会社に勤めて厚生年金保険に加入し、その後、自営業として国民年金の 保険料を60歳まで納めました。先日61歳で亡くなりました。子はいません。わたしはどのような年金を受けられますか。


A7.このケースでは、一般的には(夫の死亡当時生計維持関係にあれば)遺族厚生年金を受給する ことができますが、子がいないために遺族基礎年金は受けられません。しかし3年以上国民年金保険料 を納めているため死亡一時金が支給されます。





Q8. 継母と暮らしていた遺族基礎年金の受給権者である子が実母と同居したときに、死亡一時金は受給できますか?
私は16歳になりますが、両親が3年前に離婚してから、再婚した父親(自営業で、国民年金の保険料の未納はない)と 継母と暮らしていました。先月父親が急死したため、離婚していた実母と一緒に生活することになりました。 継母には実子がいないため私が遺族基礎年金を請求しました。しかし、私が実母と同居しているため、 遺族基礎年金は支給停止になっています。わたしは死亡一時金を受給できますか。


A8. 遺族基礎年金が支給停止になっていても死亡一時金は受けられません。継母は、子がいなく なりましたので遺族基礎年金は受給できませんが、死亡一時金を受けることができます。継母が死亡一時金を受けても、 あなたが実母から独立すれば遺族基礎年金の支給停止が解除されて支給されることになります。 あなたがもし独立するつもりなら、あなたが実母と別居する前に継母が死亡一時金を受けておくことが 賢明でしょう。

(ワンポイント)
(1)死亡一時金の支給要件
・国民年金の保険料を3年(36月)以上納めた人が、老齢基礎年金または障害基礎年金をも らわずに死亡し、遺族基礎年金がもらえないときに支給されます。

・死亡一時金を受給できる遺族とは、亡くなった人と生計を同じくしていた@配偶者、A子、B父母、C孫、D祖父母、E兄弟姉妹の順です。

・保険料免除期間の月数は保険料を納付した割合に応じて換算・加算されます。

(2)遺族基礎年金が受給できる場合、死亡一時金は同時には支給されません(ただし当該死亡日の属する月に 当該遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く)。
                          (国民年金法第52条の2の2の1)

(3)子に遺族基礎年金の受給権がある場合で、その子に生計同一の父または母がいるために子の遺族基礎年金が支給停止になっている場合、死亡した者の配偶者(当ケースでは、継母= 後妻)は、死亡一時金を受給できます。
                     (国民年金法第52条の2の3、第52条の3の1)

(4)死亡一時金は2年を経過すると、時効により請求できなくなります。

(5)死亡一時金と寡婦年金は、どちらかを選択することになります。
                            (国民年金法第52条の6)

(6)死亡一時金は一度限りの支給のため、第三者行為の死亡でも損害賠償との調整はありません。
(7)死亡一時金の額
          保険料納付済月数        支給額
          (含む免除換算月数)
         36月以上180月未満     120,000円
        180月以上240月未満     145,000円
        240月以上300月未満     170,000円
        300月以上360月未満     220,000円
        360月以上420月未満     270,000円
        420月以上           320,000円
   注.付加保険料を3年以上納めた人の死亡一時金は8,500円が加算されます。

(8)免除期間の換算月数
          免除の種類        月数
          4分の1免除      3/4 月
          半額免除        1/2 月
          4分の3免除       1/4 月
          全額免除         ゼロ

(9)国民年金の遺族給付の関係
  遺族基礎年金と死亡一時金    遺族基礎年金が優先
  遺族基礎年金と寡婦年金     両年金支給。ただし時期が重なるときは選択。
  寡婦年金と死亡一時金      選択





【W遺族厚生年金】
〈W−1支給要件〉
Q9.60歳以降にはじめて厚生年金に加入した人が死亡した場合、遺族厚生年金は支給されますか?
夫は自営業で20歳から60歳まで国民年金の保険料を納めてきました。未納はありません。 夫は60歳から年金を繰り上げて受給していましたが、62歳になってから知り合いの会社に 勤め始めて厚生年金に加入し、在職中に死亡しました。わたしは遺族厚生年金を 受けることができますか。


A9.ご主人は国民年金の保険料納付要件を満たしているので、あなたは遺族厚生年金を受給できます。 厚生年金の加入期間が短くても、300月加入したものとして 遺族厚生年金が支給されます(被保険者の死亡)。

(ワンポイント)
老齢基礎年金の繰上げ受給者が死亡した場合でも、遺族厚生年金は支給されます。





Q10.自殺の場合でも遺族年金は受給できますか?
厚生年金保険に加入中の42歳の会社員の知人が自殺しました。40歳の妻と14歳の子がいます。 奥様は遺族年金を受給できますか。


A10.厚生年金の被保険者の死亡なので、自殺であっても遺族基礎年金と 遺族厚生年金が支給されます。
なお自殺が未遂に終わり重度の障害者になった場合には、故意に障害を生じさせた との見方はせず、精神的に追い詰められて正常な判断ができない錯乱状態であった とみなされて、障害等級に応じて障害基礎年金、障害厚生年金が支給されます。

(ワンポイント)
国民年金や厚生年金の被保険者または被保険者であった人が、受給要件や納付要件を 満たしている場合には自殺であっても遺族基礎年金や遺族厚生年金が支給されます。





Q11.病気を理由に退職しその後症状が悪化した場合、遺族厚生年金は支給されますか?
私は昭和28年生まれの男性です。18年間会社勤めをしていますが、最近体調が悪い ので会社を辞めようと思っています。今まで健康診断を受けたことも医者にかかった こともありません。今後さらに病状が悪化して死亡した場合、 妻に遺族年金は支給されるのでしょうか?


A11.退職する前に必ず医者へ行って診断を受けておいてください。そこで診断された病気が 原因で5年以内に死亡した場合は、あなたが退職をしたとしても奥様に遺族厚生年金が支給されます。

(ワンポイント)
退職後の死亡の場合、厚生年金保険の被保険者期間中に初診日がないと、 遺族厚生年金の受給資格が得られない場合がありますので、在職中に体の異常を感じたときは、 早めに医者の診察を受けてください。





Q12.3級障害厚生年金の受給権者が死亡した場合に遺族厚生年金は支給されますか?
夫は3級の障害厚生年金を受給していましたが、急に病状が悪化して死亡しました。 わたしは遺族厚生年金を受けることができますか。


A12.障害等級1~2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したときは 遺族厚生年金が支給されますが、障害等級3級の受給権者が死亡したときは支給されません。
ただし3級の障害厚生年金を受けている場合であっても、その傷害の原因となった傷病により 死亡した場合は、死亡直前に障害の程度が重くなり1級または2級に該当する障害の状態に なったということができます。したがってご主人が3給の障害厚生年金を受ける原因となった 傷病が悪化して死亡したのであれば、あなたに遺族厚生年金が支給されます。

(ワンポイント)
障害厚生年金の請求ができる人が現実に裁定請求をしないまま死亡した場合でも、 その人の障害の状態が障害等級1~2級に該当していれば、遺族厚生年金の支給要件に 該当することになります。

(遺族厚生年金の支給要件)
@厚生年金の被保険者が死亡したとき
A厚生年金の被保険者であった人が資格喪失した後に、被保険者であった間に初診日が ある傷病により、その初診日から5年以内に死亡したとき
B障害等級1~2級の障害厚生年金受給権者がが死亡したとき(障害等級3級の人が、 その障害年金を受ける原因となった傷病により死亡した場合を含む)
C老齢厚生年金受給権者又は受給資格者が死亡したとき
 注.@、A、Bは短期要件、Cは長期要件。





Q13.厚生年金保険加入10年、国民年金加入(保険料納付済)15年の夫が死亡しました。遺族年金はもらえますか?
47歳の夫は厚生年金に10年加入した後に独立して自営業を始め、国民年金に加入しました。 国民年金保険料は15年ほど納付しています。夫が死亡した場合、どのような年金が受けられますか。 わたしには子供はいません。わたしの年収は280万円位です。


A13.現在ご主人は国民年金の被保険者なので、国民年金から受けられる年金を見てみ ますと次のようになります。
@あなたには子がいませんので、遺族基礎年金は受けられません。
A寡婦年金は、夫の第1号被保険者としての保険料納付済期間が25年無ければならないので支給対象外です。
B死亡一時金は夫の第1号被保険者としての保険料納付済期間が3年以上ありますので受給資格があります。
次に、厚生年金保険から受けられる年金を見てみますと、厚生年金に10年、国民年金に15年の 保険料納付済期間がありますので合計25年となり、老齢厚生年金の受給資格期間を満たして いますので遺族厚生年金が受けられます。
まとめますと、国民年金から加入期間15年相当分の死亡一時金と厚生年金保険から加入期間10年相当分 の遺族厚生年金が支給されます。

(ワンポイント)
(1)老齢年金の受給資格期間の25年については合算対象期間を含めることができます。
(2)遺族基礎年金が支給される場合には死亡一時金は支給されませんが、 遺族厚生年金と死亡一時金は併給されます。





〈W−2納付要件〉
Q14.厚生年金保険の加入期間が短くても、遺族年金を受けることができますか?
夫は国民年金の保険料納付期間が28年、厚生年金に4年の加入期間があります。先月 56歳で国民年金加入中に亡くなりました。わたしは遺族年金を受けることができるでしょうか。 わたしは50歳で子供はいません。また会社に勤めたことはありません。


A14.あなたは遺族厚生年金が受給できます。なぜなら、ご主人が老齢厚生年金の受給資格期間(25年以上) を満たしていたからです。ただし遺族厚生年金の金額は、実際に厚生年金に加入した4年で計算 されますから低額になると思われます。あなたは60歳から65歳の間は寡婦年金を受給できますので、 60歳からはそちらを選択したほうがいいでしょう。

(納付要件) 遺族厚生年金の支給要件のうち短期要件(前出A12の@〜B)に該当している場合には納付要件を 満たしていることが必要です。納付要件は次のとおりです。
@被保険者が当該死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、 かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が 当該被保険者期間の3分の2以上あること。
                          (厚生年金保険法第58条の1)
A平成38年4月1日前に死亡した人については、当該死亡日(65歳未満に限る)の前日において 当該死亡日の属する月の前々月までの1年間の内に保険料未納期間がないこと
                        (昭和60年改正法附則第64条)





〈W−3.遺族の範囲と順位〉
Q15.私が死亡したとき、再婚の妻は遺族厚生年金を受給できますか?
私は老齢厚生年金を受給中ですが、長年連れ添った妻が死亡したので近く再婚を考えています。 将来私が死亡した場合、再婚した妻は遺族厚生年金を受けられますか。


A15.老齢厚生年金の受給権者が死亡した場合には、死亡した時点でその人の遺族に遺族厚生年金が 支給されることになっていますが、当該遺族の人が一定の要件を満たしていることが必要です。
妻が遺族厚生年金を受けるためには、死亡した人によって生計を維持されていたことだけが要件 とされています。たとえ、老齢給付の受給権を取得した後に婚姻し、配偶者加給年金の対象者に なっていなくても構いません。すなわち、再婚して奥様となった人があなたに生計維持 されていれば遺族厚生年金が支給されます。

(ワンポイント)
「生計維持」については、次の2つの要件を満たしているときに「生計維持されている」といいます。
@生計同一関係にあること
 例)・住民票上、同一世帯にある。
   ・単身赴任、就学、病気療養等で、住所が住民票上は異なっているが、生活費を共にしているとき(仕送りがあるとき等)
A収入要件を満たしていること。
  年収850万円(所得655.5万円)を将来にわたって有すると認められないこと
                   (老齢年金請求書12頁「生計維持証明」参照)





Q16.内縁関係の夫が死亡しましたが、遺族年金は受給できますか?
私と10年以上も同棲していた内縁の夫が先週亡くなりました。亡くなった夫には、離婚同様といえるような状態ですが 戸籍上の配偶者がいます。私に遺族厚生年金は支給されるでしょうか。


A16.配偶者は遺族厚生年金を受けることができる第1順位者ですが、あなたの場合はほかに法律上の配偶者がいる ケースなので、原則として内縁関係にある者には支給されません。
しかし法律上の婚姻関係があっても
@当事者が離婚の合意に基づき、夫婦としての共同生活を廃止していると認められるが、戸籍上、離婚の届出をしていないとき
A一方の悪意の遺棄によって共同生活が行われていない場合において、その状態が長期間継続し、 当事者双方の生活関係がそのまま固定していると認められるとき
などは、法律上の婚姻関係がその実態を失っているといえます。このような場合、ほかに「事実上婚姻関係と同様の状態」 にある者がいるときは、その者に遺族厚生年金が支給されることとされています。
したがって、あなたの場合も、法律上の妻と故人との間の生活実態、婚姻関係継続の意思などによっては、 遺族厚生年金が支給される場合があります。

(ワンポイント)
本妻と内縁関係の者との間で遺族年金受給権者の争いが生じた場合は、生計維持関係のより強い方が遺族年金の 受給権者として認められます。





Q17.独身の息子が死亡しましたが、父親の私は息子の遺族年金を受給できますか?
私は大正13年生まれの男性です。現在旧法の厚生年金の老齢年金を受給しています。先月、 長男が病気で急死しました。長男は独身で会社勤めをしていて、厚生年金には20年以上加入 していました。私は長男と二人暮らしでしたが、遺族厚生年金をもらえますか。また、 一時金で受け取ることはできませんか。


A17.あなたには息子さんの死亡による遺族厚生年金の受給権が発生します。遺族厚生年金は 厚生年金の被保険者が死亡したときに、その人に配偶者や子がいない場合は、父母が受け取る ことができます。死亡者の死亡当時、父母の年齢が55歳以上でなければなりませんが、 あなたはこの要件に該当しますので遺族厚生年金の受給権が発生します。
ただし、あなたが遺族厚生年金を受給されますと、現在受給中の旧厚生年金の老齢年金は 半分に減額されることになりますので、遺族厚生年金を受給されるか、従来のままご自身の 年金を受給されるか、有利な方を選択されるとよいでしょう。
また一時金で受け取れるか、とのことですが、厚生年金保険には一時金の制度はありません。 もし息子さんが、過去に第1号被保険者として国民年金に3年以上加入されたことがある場合には、 国民年金の保険料を納めた期間に応じて死亡一時金を受け取ることができます。

(ワンポイント)
(1)遺族厚生年金を受け取ることができる遺族
  @配偶者、A子(年金法上の)、B父母、C孫、D祖父母
                            (厚生年金保険法第59条の1)
  夫・父母・祖父母に対する遺族厚生年金は、受給権者が60歳に達するまでの期間、支給停止する。
                         (厚生年金保険法第65条の2)
  ただし、夫に対する遺族厚生年金については、夫が遺族基礎年金の受給権を有するときはこの限りではない。
                           (平成26年4月からの改正点)

(2)旧法老齢給付との併給について
  65歳以上の、旧法厚生年金の老齢年金または通算老齢年金の受給者が新法遺族厚生年金を受給できる場合は次のうち、 いずれか有利な方を選択します。
      @新法遺族厚生年金+(旧法厚生年金の老齢年金または通算老齢年金)×1/2
      A旧法厚生年金の老齢年金または通算老齢年金
  なおどちらの場合も、旧国民年金の老齢年金は併給されます。





〈W−4.年金額〉
Q18.遺族厚生年金の方が高額なのに、自分の老齢厚生年金を受けなければいけませんか?
現在夫の死亡による遺族厚生年金を受給しています。私も昔数年働いていましたので老齢厚生年金が受けられると思いますが、 遺族厚生年金の方が多い場合でも自分の老齢厚生年金を受給しなければいけませんか。


A18.あなたが65歳になった時以降は、あなたの老齢厚生年金が優先的に支給されます。そのうえで、 遺族厚生年金から老齢厚生年金額を差し引いた額が遺族厚生年金として支給されます。
(60歳から64歳までの間は遺族厚生年金と特別支給の老齢厚生年金のどちらかを選択することになります。)

(ワンポイント)
平成19年4月から、65歳以上の遺族厚生年金受給者の併給について次のように改められました。
@遺族厚生年金の額は次のいずれかの多い額とする。
  ア.老齢厚生年金額の4分の3に相当する額
  イ.上記ア.の3分の2(=老齢厚生年金額の2分の1)に自分の老齢厚生年金額の2分の1を加えた額
                             (厚生年金保険法第60条)

A老齢厚生年金と遺族厚生年金を併給する場合には、自らの保険料納付が年金給付に反映されるようにする趣旨で、 自分自身の老齢厚生年金(経過的加算を含む)が全額優先的に 支給されます。

B自分の老齢厚生年金と比較し、遺族厚生年金の額が多い場合は遺族厚生年金額から 老齢厚生年金額を差し引いた額が遺族厚生年金として支給されます。
                          (厚生年金保険法第64条の3)
なお、ご主人の死亡が平成19年4月以降であって、あなたが老齢厚生年金の受給権を有している場合には、 あなたの老齢厚生年金が優先して支給され、遺族厚生年金の額が老齢厚生年金の額を上回っているときは、 遺族厚生年金の額から老齢厚生年金の額を差し引いた額が遺族厚生年金としてあわせて支給されます。





Q19.私(68歳)の遺族年金には何か加算額が付いていますか?
老齢厚生年金を受けている夫がなくなりました。夫はだいぶ前に現役を引退しています。妻である私は68歳です。 私に支給される遺族厚生年金は何か付加額が付きますか。もし付くとすれば、それはどのようなものですか。


A19.加算額とは経過的寡婦加算のことです。経過的寡婦加算が加算されるのは、ご主人が20年(中高齢の特例:15~19年) 以上加入の老齢厚生年金を受けていたかどうかによります。つまり、ご主人が過去20年(中高齢の特例:15~19年) 以上厚生年金に加入していたのであれば、あなたの遺族厚生年金には経過的寡婦加算が加算されます。

〈ワンポイント〉
中高齢寡婦加算
・遺族厚生年金を受給する妻には「中高齢寡婦加算」が加算されますが、加算の要件は次のとおりです。
 @加算される期間は40歳以上65歳に達するまでの間です。
                   (65歳以降は経過的寡婦加算が支給されます。)
 A妻が遺族基礎年金を受けられるときはその間支給停止されます。
 B遺族厚生年金が長期要件により支給される場合には、死亡した夫の厚生年金被保険者期間が 20年(中高齢の特例:15~19年)以上あることが必要です。
                  (短期要件の場合には20年未満でも支給されます。)
・加算額は定額で、老齢基礎年金額の4分の3相当額です。

経過的寡婦加算
次の@,Aに該当する人に経過的寡婦加算が支給されます。
@中高齢の寡婦加算額が加算された遺族厚生年金の受給権者である妻(昭和31年4月1日以前生まれであること)が 65歳に達したとき。
A厚生年金に20年以上加入した夫の遺族厚生年金の受給権を取得した65歳以上の妻(昭和31年4月1日以前の生まれであること)

加算額は「(中高齢寡婦加算額―老齢基礎年金額)×生年月日に応じて定める率」で計算されます。
                           (昭60法附則第73条)




Q20.遺族厚生年金額はいくらになりますか?
私は現在68歳です。次の場合の遺族厚生年金額はどのようになりますか(寡婦加算額や経過的寡婦加算額は 考慮しないものとします)。

(ケース1)夫の老齢厚生年金額140万円、私(妻)の老齢厚生年金額40万円
(ケース2)夫の老齢厚生年金額84万円、私(妻)の老齢厚生年金額60万円


A20.
〈ケース1〉次の@またはAの遺族厚生年金額のうち、多い方を選択します。
 @遺族厚生年金額=140万円×3/4=105万円(こちらを選択)
 A遺族厚生年金額=(105万円×2/3)+(40万円×1/2)=90万円
@>Aですので@を選択します。
遺族厚生年金105万円の範囲内で、妻の老齢厚生年金40万円と65万円(105万円―40万円)の遺族厚生年金が支給されます。

(ケース2)次の@またはAの遺族厚生年金額のうち、多い方を選択します。
 @遺族厚生年金額=84万円×3/4=63万円
 A遺族厚生年金額=(63万円×2/3)+(60万円×1/2)=72万円(こちらを選択)
@<AですのでAを選択します。
遺族厚生年金72万円の範囲内で、妻の老齢厚生年金60万円と12万円(72万円―60万円)の遺族厚生年金が支給されます。

(ワンポイント)
65歳以上の併給調整は本人の保険料拠出に基づいた給付が優先されます。具体的には次のうちから有利な方を選択します。
 (1)老齢厚生年金+(遺族厚生年金―老齢厚生年金)+老齢基礎年金
 (2)老齢厚生年金+(遺族厚生年金×2/3+老齢厚生年金×1/2−老齢厚生年金)
    +老齢基礎年金

注.老齢厚生年金には経過的加算が、遺族厚生年金には経過的寡婦加算が含まれます。





Q21.遺族厚生年金は繰下げ増額された老齢厚生年金額を基準として計算されるのですか?
私の夫は老齢基礎年金・老齢厚生年金を70歳から受給し、65歳から受給する額より88%多い額が支給されていました。 先日夫が死亡したので遺族厚生年金を請求する準備をしていますが、この遺族厚生年金の額は、 増額された老齢厚生年金を基準として計算されるのでしょうか。


A21.遺族厚生年金の年金額の計算方法については、厚生年金法第60条に「遺族厚生年金の額は厚生年金法第43条 (老齢厚生年金額)の規定の例により計算した額の4分の3に相当する額とする」と規定されていますので、 厚生年金法第44条の3の4に規定する、繰下げ受給した場合の加算額を含む額の4分の3に相当する額にはなりません。

〈ワンポイント〉
1.老齢厚生年金を繰下げ待機中に死亡した場合は、65歳時点の老齢厚生年金の報酬比例部分の額 (繰下げ加算しない額)を基準として遺族厚生年金が計算されます。
                            (厚生年金法第60条の1)
なお、65歳から死亡日の属する月分までの老齢厚生年金は未支給年金として請求することができます。

2.老齢に係る年金の繰下げ待機中に遺族厚生年金の受給権が発生した場合の老齢年金の取扱いは次のとおりです。
 ア.繰下げ申出日は遺族年金の受給権者となった日
   (遺族年金の受給権が発生しても引き続き増額されると思いこみ、老齢年金の繰下げ
    の申出を行わないケースもあるため注意を要します。)
 イ.支給開始月は実際に繰下げを申出たつきの翌月
 ウ.「繰下げ受給」せずに65歳に遡及して受給することも可能





〈W−5.失権・支給停止〉
Q22.夫の私に遺族年金は支給されますか? 厚生年金に加入中の妻がなくなりました。夫である私は55歳、妻との間に、12歳と15歳2人の子供がいます。 遺族年金は支給されますか。

A22.夫であるあなたと2人の子に遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給権が発生します。 ただし子の受給権は、配偶者が受給権を有する間は支給停止となります。

〈ワンポイント〉
1.平成26年4月から遺族基礎年金の受給権者は「子のある妻、子」から「子のある配偶者、子」に改められました。 「子のある夫」も受給権者になれるようになりました。
2.夫に対する遺族厚生年金の受給権については「妻が死亡時55歳以上であること」が要件とされていて、 かつ「60歳に達するまでは支給停止」とされています。ただし夫が遺族基礎年金の受給権を有するときは 「60歳までは支給停止」という年齢制限規定は適用されませんので、60歳に達するまでの期間も遺族厚生年金を 併せて受給できます。





Q23. 亡夫の先妻の子が実母と同居した場合、私のお腹の子が生まれた場合の遺族年金はどうなりますか?
私は亡夫の先妻の子(10歳と16歳。以下「夫の子」という。)と同居し、夫の死亡による遺族基礎年金・ 遺族厚生年金を受けています。このたび夫の子が私と別居し、実母(夫の先妻)と一緒に暮らすことになりました。 私は現在、亡くなった夫の子を妊娠中ですが、この子が生まれた後の年金受給はどうなりますか。


A23.夫の子が実母(夫の先妻)と生計を同じくすることで、当面あなたは子のいない妻となり遺族基礎年金は失権します。 このため遺族厚生年金も支給停止されます(厚生年金法第66条第2項)。
夫の子は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の支給停止が解除されて支給が開始されますが、母親と一緒に暮らすため 遺族基礎年金は支給停止のままです(遺族厚生年金は支給されます)。
その後あなたのお腹にいる胎児が出生した場合、再びあなたに遺族基礎年金の受給権が発生して支給開始されます。 そして遺族厚生年金も支給開始されます。
この場合、出生したあなたの子にも遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給権が発生しますが、両方とも支給停止されます。
また夫の子については、遺族基礎年金は引き続き支給停止です。遺族厚生年金もあなたが 受給権を取得したことにより支給停止されます。
あなたの遺族基礎年金額は、こどもが3人に増えたことにより増額されます。

〈ワンポイント〉 一度失権した遺族基礎年金も、胎児が出生すれば再び受給権者になります。





〈W−6.遺族共済年金との調整〉〉
Q24.遺族厚生年金と遺族共済年金との調整@
私の夫は地方公務員共済に加入して8年目に事故に遭い、2級の障害共済年金を受給していました。数年前から知人が 経営している会社に勤めて厚生年金に加入していましたが、先日心不全で急死しました。私は遺族共済年金と 遺族厚生年金の両方の年金をもらえますか。


A24.障害共済年金2級の受給権者の死亡なので遺族共済年金は「短期要件」となり、共済組合期間が短期間であっても 組合員期間300月とみなして計算された遺族共済年金がもらえます。一方厚生年金は被保険者の死亡なので、 遺族厚生年金も「短期要件」での計算(300月みなし)となります。短期要件の遺族厚生年金と同じく短期要件の 遺族共済年金とでは、どちらか有利な方の選択となります。





Q25.遺族厚生年金と遺族共済年金との調整A
私の夫は私学共済に35年加入した後、退職して退職共済年金を受けていました。その後、民間会社に勤めて厚生年金に加入 していましたが、1年前に交通事故で死亡しました。私は共済組合と厚生年金から遺族年金がもらえますか。


A25.あなたののご主人は退職共済年金の受給権者でしたからあなたの受給する遺族共済年金は「長期要件」です。 遺族厚生年金については、ご主人は厚生年金被保険者として死亡したのですから「短期要件」に該当します。 しかしご主人は同時に老齢厚生年金の受給権者でもありましたから「長期要件」にも該当します。
したがって共済組合からは「長期要件」の遺族年金が支給されます。遺族厚生年金については「短期要件」「長期要件」の いずれかを選択することになります。ただし、長期要件の遺族厚生年金を選択すると遺族共済年金(長期要件)と併給されますが、 短期要件の遺族厚生年金を選択すると、遺族厚生年金(短期要件)と遺族共済年金(長期要件)のいずれかを 選択受給することになります。




《事例研究》退職後に自殺した夫の遺族厚生年金を請求する

事例

  Aさんは昭和46年9月生まれの家庭の主婦です。昭和46年4月5日生まれの夫Bさんはサラリーマン。 中学生の子供が一人います。
  平成19年1月ごろから夫Bさんは、月100時間もの残業をするほどの激務が続き、平成19年7月12日から病院の 精神科に通うようになりました。しかし激務に人間関係のストレスも加わって抑うつ気分が強まり、平成20年10月、 会社を退職。その後、平成20年12月に再就職しましたが、新しい職場でも本人に対するいじめが発生し、抑うつ気分は 治りませんでした。平成22年5月に退職。さらに23年1月から1年契約の社員として就職し、平成24年1月退職。 さらに次の職場を探す活動を始めましたが、なかなかうまくいきません。平成24年3月5日にBさんは自殺してしまいました。

遺族厚生年金は請求できるか

  Aさんは遺族請求年金を請求できるでしょうか。

  遺族厚生年金を請求するためには、次のような要件のいずれかを満たさなければなりません。

1.厚生年金の被保険者である間に死亡したとき。(保険料納付要件も満たすことが必
  要)
2.厚生年金の被保険者である間に初診日がある病気やけがが原因で、初診日から5
  年以内に死亡したとき。(保険料納付要件も満たすことが必要)
3.障害の程度が1級・2級の障害厚生年金を受けている方が死亡したとき。
4.老齢厚生年金の受給権者又は老齢厚生年金を受けるために必要な加入期間の条
  件を満たしている方が死亡したとき。

  Bさんは、会社を辞めた後に死亡していますので上記1.には該当しません。障害年金は 受給していませんので2.にも該当しません。大学を卒業して会社に入ったのは平生6年 4月ですので、死亡した時点では老齢厚生年金を受給するために必要な加入期間(25 年)を満たしてはおりません。ですから4.の要件も満たしておりません。
  Bさんの自殺の原因は、在職中の激務から生じたうつ病にあると考えられます。うつ病の 初診日は平成19年7月12日です。平成24年3月5日にBさんは死亡しており、初診日から5年以内の死亡に該当します。
  このように考えると、2.の要件は満たされることになり、Aさんは遺族厚生年金を請求できると考えられます。 ただし、Bさんの自殺は厚生年金の被保険者である間に初診日があるうつ病が原因であるということを証明しなければなりません。 それにはどうしたらいいのでしょうか。

主治医の『受診状況等証明書』で証明

  Bさんの主治医に相談したところ、その主治医が、初診日以来自殺に至るまでの治療の経緯を 『受診状況等証明書』に記載してくれました。
  この『受診状況等証明書』は、通常は障害年金の初診日の証明用に使われるものです。 傷病名(Bさんの場合は「抑うつ状態」)、傷病の原因または誘因(職場でのストレス)、 発病から初診までの経過、初診年月日(平成19年7月12日)、終診年月日、初診より終診までの治療内容 および経過の概要等を記入します。
  この『受診状況等証明書』によって、Bさんが、厚生年金の被保険者である時に初診日がある病気によって 初診日から5年以内に自殺したことが立派に証明されました。
  請求の結果、Aさんは遺族基礎年金(子供についての加給年金あり)と遺族厚生年金とを受給することができました。



≪未支給年金≫

 年金は後払いです。しかも死亡した月の分まで支給されます。 たとえば年金受給権者が、3月10日に死亡したとすると、3月分まで支給されますが、 2月分と3月分の支給日は4月15日であり、この時点では受給権者は死亡しており、 受け取ることはできません。これが未支給年金というものです。

   未支給年金が支給される対象遺族は、受給権者の死亡当時、その受給権者と生計を 同じくしていた者であって、配偶者、子、父母、孫、祖父母、又は兄弟姉妹の内の 先順位者です。相続財産ではありません。税金については、一時所得として課税 されます。

 請求に当たっては、請求者と受給権者の関係を明らかにする戸籍謄本、生計同一 関係を確認するための住民票・同除票、等が必要ですが、通常遺族年金の請求と 同時に請求されます。



≪遺族基礎年金≫

受給資格要件

次の3つの要件がいずれも満たされていること
1、被保険者要件
  夫または親が死亡した日に、夫または親が次のいずれかに該当すること
    @国民年金の被保険者
    A国民年金の被保険者であった者で60歳以上65歳未満の者
    B老齢基礎年金の受給権者
    C老齢基礎年金の受給資格要件を満たしている者

2、保険料納付要件(上記1、の@及びAに該当する者)
  死亡日の前日において次のいずれかの保険料納付要件を満たしていること
    @死亡日の属する月の前々月以前の被保険者期間のうち、保険料納付済期間
     と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上あること
    A死亡日の属する月の前々月以前の直近の1年間に保険料未納期間がないこと

3、遺族の範囲要件
  夫または親が死亡した当時、夫または親に生計維持されていた「子のある妻」または
  「子」であること

    子とは―――
       ・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子       
       ・20歳未満で障害等級1級または2級の障害者

年金額

基本額 + 子の数に応じた加算額
      基本額  満額の老齢基礎年金額と同額。平成23年度は788,900円。
      加算額  2人目までの子供には1人につき227,000円、3人目以降は
            1人につき75,600円。

   妻が受け取る具体的な年金額
        (区分)    (基本額)  (加算額)   (合計額
        子が1人の妻  788,900円  227,000円   1,015,900円
        子が2人の妻  788,900円  454,000円   1,242,900円
        子が3人の妻  788,900円  529,600円   1,318,500円



≪遺族厚生年金≫

受給資格要件

(1)短期要件該当
   @被保険者が死亡した時
      (注)保険料納付要件(後出)を満たしていることが必要。

   Aア.厚生年金保険の被保険者であった者が、
     イ.被保険者であった間に初診日のある傷病によって
     ウ.被保険者の資格を喪失した後に
     エ.初診日から起算して5年以内に
     死亡した時
      (注)保険料納付要件(後出)を満たしていることが必要。

   B1級または2級の障害厚生年金の受給権者が死亡した時

(2)長期要件該当
   老齢厚生年金の受給権者、または老齢厚生年金を受けるのに必要な資格期間を
   満たしている者が死亡した時
 
(3)保険料納付要件
   上記の受給資格要件のうち、(1)の@,Aに該当する者については、次のいずれ
   かの保険料納付要件を満たしていることが必要です。

   @死亡日の属する月の前々月以前の被保険者期間のうち、保険料 納付済期間
    と保険料免除期間を合算した期間が3分の2以上あること

   A初診日の属する月の前々月以前の直近の1年間に保険料未納期間がないこと

遺族の範囲

遺族厚生年金を受給することのできる遺族は、次のように定められています。

  被保険者または被保険者であった者の死亡の当時、その死亡した者によって
  生計を維持されていた配偶者(妻または夫)、子、父母、孫、および祖父母。

また受給するための順位は次の通りで、先順位の者がいる場合には、後順位の者は遺族厚生年金を受けることはできません。

     第1順位(注1)   配偶者・子(注2)
     第2順位       父・母(注3)  
     第3順位       孫(注2)  
     第4順位       祖父・祖母(注5)

   (注1)第1順位者の「配偶者・子」については具体的に次の通りの順位が定められ
       ていて、先順位者が年金の支給を受けることができる場合には、後順位者
       の年金の支給は停止となります。
       第1順位   子のある妻 
              被保険者または被保険者であった者の死亡の当時、その
              死亡した者によって生計を維持されていた子(注2)と生計
              を同じくしている妻。年齢は問わない。
       第2順位   子(注2)    
       第3順位   子のない妻
       第4順位   夫(注4)
   (注2)子・孫については、被保険者または被保険者であった者の死亡の当時、次
       のいずれかの要件を満たしていることが必要。
          ア.18歳到達年度の末日までの間にあること
          イ.20歳未満で障害等級1級または2級に該当する障害状態にある
            こと。
   (注3.4.5)夫、父母、祖父、祖母については、被保険者または被保険者で
       あった者が死亡当時55歳以上であることが必要。支給開始は60歳から。

年金額

原則として老齢厚生年金の額(報酬比例の額)の計算の規定の例により計算した額の4分の3に相当する額が支給されます。

具体的な計算式は次の通り。(妻が受給する場合。物価スライド特例水準の年金額)

{〔平均標準報酬月額(注1)×生年月日に応じた乗率(注2)×平成15年3月までの被保険者期間の月数〕
                       +
 〔平均標準報酬額(注1)×生年月日に応じた乗率(注2)×平成15年4月以降の被保険者期間の月数〕}
                       ×
                 1.031×0.981×3/4

(注1)平均標準報酬月額、平均標準報酬額、「再評価率」の取り扱いについては老齢
    厚生年金額(報酬比例分の額)の算出の場合と同じ。

(注2)「短期要件に該当する遺族厚生年金」の額を計算する場合、死亡した者の被保
    険者期間の月数が300月に満たないときは、障害厚生年金の場合と同様300
    月に引き上げます。
    またこの場合平均標準報酬(月)額に乗じる乗率は年齢にかかわりなく、一律に
         平成15年3月までの分  7.5/1000と
         平成15年4月以降の分  5.769/1000
    を用います。      

(注3)「長期要件に該当する遺族厚生年金」を計算する場合、平均標準報酬(月)額に
   乗じる乗率は生年月日に応じた乗率です。
   平成21年4月2日以降生まれの人の場合は次の乗率を用います。
   平成15年3月までの平均標準報酬月額に乗じる率   7.500/1000
   平成15年4月以降の平均標準報酬額に乗じる率    5.769/1000


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